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車イスで初の小型船舶操縦士





初めてクルーザーを操船する車イス利用者の内田さん(茨城県土浦市の霞ヶ浦で)

 ボートやヨットの操縦に必要な小型船舶操縦士の国家試験に、全国で初めて車いす利用者が合格した。昨年11月、船舶職員法の施行規則が改正され、総トン数20トン未満の小型船舶試験の身体検査基準が見直されたためで、「レジャーの場が海上にも広がった」と障害者を元気づけている。

 夢を実現したのは、東京都江東区、公務員内田輝さん(43)。総トン数5トン未満で海岸から5カイリ(約9キロ)内を航行できる4級の試験に合格した。

 内田さんは19歳の時、山梨県で交通自損事故のため、がけから転落、下半身不随となった。1985年、いとこに誘われて小型ヨットに乗ってから、沈みがちだった気分が一変。スピード感と爽快(そうかい)感に魅せられ、毎週のように水上に繰り出した。

 その後、免許の取得機会の拡大を知って奮起。購入していた中古クルーザーの操船を目標に勉強を重ね、今年2月、念願の免許証を手にした。

 国土交通省によると、小型船舶の免許保有者数は約270万人。1級から6段階に分かれ、身体検査、学科、実技試験が課される。改正前は、車いす利用者やひじ以上に欠損がある場合は不合格となっていたが、操縦姿勢の安定が保て、船の乗降などに支障がなければ、合格できるようになった。これまで障害者約40人が免許取得を目指して相談を寄せているという。

(3月27日14:50)
 
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