と き め き 航 海 記 ―3―
 
鹿島神宮の大鳥居詣での船旅

海上(水上)では高さ日本一の朱色の大鳥居


中澤滋夫  記
航海日  平成25年7月31日
船名(Boat mane)  YAMAHA AS−21
乗組員(Crew members)   
船長  秋山尚夫  副船長 中澤滋夫  一等航海士 鈴木貞一郎
通信士 山崎正子    (役目を分担しました。自薦、他薦です。)
天候  出港時  東寄りの風 風速 約2メートル
YAMAHA SA-21 定員は5名 エンジンは90馬力
前日にモーターボート ヤマハAS−21をレンタルして、ナビを付けてもらう。
潮来周辺までは何度も行っているが、その先の常陸利根川から外浪逆浦、鰐川、北浦
常陸川閘門(逆水門)は未知の航路です。
美しい霞ケ浦の大自然
霞ケ浦は日本で広さは2番目です。琵琶湖が最大、3番目は北海道のサロマ湖です。
霞ケ浦は、西浦、常陸利根川、外浪逆浦、北浦を合わせた総称です。
古い時代は海でした。「常陸国風土記」にも流れ海と記されて、クジラ以外は沢山の
魚がすんでいました。湖岸には縄文時代の貝塚が数多く残っていて、魚類(鯛など)、貝(ヤマトシジミ、ハマグリ)を食べていたことが発掘で、判っています。
東国三社
今回詣でる鹿島神宮、息栖神社は、香取神宮と並んで東国三社の一つです。
これらの東国三社は、古い昔から信仰が盛んで、江戸時代は訪れる人が多かった。
鹿島神宮は奈良時代から、防人が西国に旅立つ際に、武運を祈願して詣でている。
かなしき妹と、しばし別れの惜別の歌が、万葉集にも詠まれている。
また、武芸者で諸国修行の塚原卜伝の生誕の地でもあります。
息栖神社は日本三霊水の井戸があり、境内には神木の「夫婦杉」あります。
松尾芭蕉が、訪れた際の「句」が残されています。
香取神宮は利根川を渡り、佐原の川の駅の近くに鎮座しています。
古い地図をみると、霞ケ浦が現在より広かった時代は利根川もなく、これら三社は霞ケ浦の湖岸にあったことが判ります。
さあ、出港
ヤマハの船外機エンジンは快調、ライフジャケットの全員の着用を確認し出航。
フェンダーを上げて港内はデットスロー(最低速)で運行。
防波堤を出てから回転数を上げるとバウ(舳先)が下がって、ボートは水平になる。
霞ケ浦総合公園のオランダ型風車を真横に見て、湖心に向けて転針する。
出港して、30分で右手に美浦村の日本テキサスインスツルメンツの白い建物が
見えくると、湖心の三又沖までの行程を半分来たことになる。
霞ケ浦のランドマーク、湖心にある「湖心観測所」
湖心の三又沖の観測所に着く。周りを一巡りする。あまり風もなく快適。
この三又沖の湖底には、古い昔に常陸国分寺から、盗賊によって盗み出された雌鐘が沈んでいるという悲しい伝説がある。耳を澄ますと遠く国分寺の雄鐘を偲んでの、悲しい嘆きの声が聞こえてきそう。合掌。
麻生温泉の「白帆の湯」の沖を通り北利根橋に向かう。今日は水曜日、温泉はお休み。
牛堀から常陸利根川
西浦を渡り切り、北利根橋をくぐると牛堀に到達する。川岸には新しい桟橋が設置された。出航してから、初めての接岸、もやいをとり上陸。一休みする。
コンクリート製のしっかりした岸壁、ゴム製のフェンダーもあり、クリートも設置。
ボートのガンネル(船べり)と高さが同じで、乗り降りが楽である。
ここ、牛堀は昔から水運の要所として栄えた河岸である。江戸時代の高瀬船、明治になっての蒸気船の「通運丸」や、昭和の初期にはディーゼルエンジン船の、潮来観光の「さつき丸」「アヤメ丸」などが就航して行き交っていた。
ここから眺められる富士山は、葛飾北斎の錦絵に「常州牛堀」として描かれている。
松尾芭蕉も1687年に門人を伴って、水郷地方の旅の折に鹿島、息栖と、ここ牛堀にも立ち寄っている。昔を偲ばれるたたずまい、また来てゆっくりしたい河岸である。

牛堀から潮来はすぐに着いた。お昼に係留する予定の桟橋を確認して、寄らないで常陸利根川を下る。東関東自動車道の橋をくぐると、外浪逆浦の入り口に到達。ナビを頼りに真中を進み、鰐川に入り、北浦に向けて遡上する。
  大鳥居に着く。
大船津の神宮橋に着く。橋のたもとに立つ朱色大鳥居は予想通りの威容。世界遺産の安芸宮島の大鳥居には規模は及ばないが、湖上では日本最大。

大鳥居
近くに接岸できる桟橋があれば、係留して自転車で鹿島神宮に参詣の計画をしたが、
ボートが接岸できる桟橋が無いので断念する。残念。
この鳥居は鹿島神宮の一之鳥居。神宮の鎮座する東の方角に手を合わせて遥拝する。
鳥居の周りは、漁網の竹竿があり、ごちゃごちゃしていて近寄れない。鳥居をくぐれるのは、神様だけか、お賽銭を上げれば通れるのかな。通ってみたい。

次は、息栖神社に向けて常陸利根川に戻る。
神社前にある船溜まりは入れないので、鳥居の奥の杜に囲まれた神社に参拝する。
(息栖神社の前の船溜まり、鎮守の杜の前に鳥居がある。)
 水郷の自然そのままの常陸利根川
ゆったりした常陸利根川は、葦、マコもの両岸が続く。この川は霞ケ浦の度重なる洪水、水害を防ぐ目的のための改修工事で、川幅を広げてから水害は無くなった。
行き交う船は無くゆったり、そう言えば土浦のハーバーを出てから、ここまで他船には会わなかった。大自然独り占め、涼風が心地よい。
(常陸川閘門、船の大きさにより、大小2つの閘門がある)
今回の航路の最終の常陸川の閘門に着く。この閘門は逆水門、通常は閉鎖されている。右岸の堤防の向こうは利根川。この閘門を通ると、利根川に出られる。ここで今回の航路の終着駅、ここから土浦ハーバーへの始発駅となり、帰港に向けて出発。

往きと同じ航路、常陸利根川を戻り潮来に着いた。
潮来は、アヤメの季節は6月で終り、シーズンオフなので、桟橋はガラガラ空いている。
桟橋に接岸、もやいをとる。ビット、クリーとでなく、大きな鉄の輪があり、太いロープも繋げ、大型の遊覧船の専用か。長い時間の係留は許可が必要のこと。
上陸する。5年前に来たときに、温泉付き、蕎麦、ウナギの宿{みさき荘}は、前の震災に罹災し取り壊しになり空き地になっていた。
秋元専務に聞いた、手打ち蕎麦の「若田屋」を探す。暖簾をくぐると昔風の店。
天盛りを注文。蕎麦があがるまでは取りあえずビール。暑い体には冷えたビールが最高。
手打ちそばと天ぷらは、年寄りには少し多めの量。満腹。
街は、アヤメのシーズンも終り、観光客はいない。少しぶらぶらして、川岸のレストランカフェの「プチロード」で、コーヒータイム。アヤメの季節にまた来たい。

 潮来のあやめ園(今回はシーズンが終でした。5年前の写真です。)
潮来のあやめ園(今回はシーズンが終でした。5年前の写真です。)
土浦港へラストクルーズ
桟橋に戻り、もやいを解いて出航する。マリーナに帰港予定時刻を連絡する。
三又沖の近くになると、波が荒れきて、かなりの波高と、うねりに苦労する。
波頭から波の谷間へ、ドーン、ドーンと船底がうちつけられる。しっかりと手すりを握っていないと、振り落されそう。船長の慎重な操船で乗り切りました。
予定時刻の3時半に帰港した。いい船旅でした。無事の航海、海の女神に感謝します。
今回のクルーズの走航距離は、およそ往復100キロを超えています。内水面ではありますが、距離では東京湾を横断する航路を上回る大航海でした。
使用燃料は約80リットル エンジンの回転数は約4千回転、最もいい経済速度です。
燃料代が約1万3千円、 ボートのレンタル料はオーナー割引で、〆て2万1千円。

 今回の航行計画にあたり、天気予報は薄井利章気象予報士にお願いしました。
予想通り天気は良好。氏は現在、母校の土浦一高のヨット部のコーチをしておられて、ヘリコプターの操縦の経験もあります。有難うございました。
次の航海に夢はふくらむ。
次の航海は利根川に出て、佐原の川の駅に上陸し小江戸佐原の街並み散策、名物蕎麦とウナギを食べて、香取神宮に参拝したい。
現在、横利根川の赤レンガの閘門は、来春まで工事中で通ることは出来ず残念です。来年に夢を繋ぎましょう。
その時は、今回新たにデビューした「かもめ」で行きたい。このボートなら雨風の心配もなくゆったりクルーズ。来年アヤメの季節に期待しましょう。
 
 
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