と き め き 航 海 記 ―2―
 
横利根川を通り水郷佐原の街を散策の旅

航海日  2010年7月4日(日)
天候    朝のうち小雨  その後晴れ
   風力 湖上の波頭はなし、うねりあり
使用艇  YAMAHA AS−21
キャプテン    中澤滋夫  (74歳)
副キャプテン   皆葉 隆三 (72歳) 
      
お天気の予約は出来ません。予報を見て一日ずらしたが朝は小雨です。
茨城と銚子気象台の両方の天気予報をきく。銚子の方が明るい予報、
悪ければ途中で引き返すとの事で、思い切って出航する。
対岸は霞んでいて見慣れた目標物も良く見えない。コンパスを頼りに進む。
視界は良好でないが、便利なナビがあるので、自艇の位置は判る。
湖心の観測所を左遠くに見て、最短距離で北利根橋を目指す。川を跨ぐ送電線の
鉄塔が横利根川の入り口の水門だ。 
西浦を順調に渡り切り、常陸利根川の入り口に到着。
心配していた天気は好転し、風もなく穏やかな晴れになった。 
 

 
横利根川入り口の水門、信号は青

北利根橋をくぐると、横利根川の水門。扉は開いていたのでそのまま進入する。
初めての水路だ。エンジンはスローに落として、引き波は立てないで、とろとろと進む。
行き交う船もほとんど無く、両岸の風景を見ながら、のんびり運転
水路の中間に横利根川の魚の移動を止めるために、水中に網が張られている所がある。
へら鮒などの釣り人のための対応だそうだ。時間を決めてこの網の上げ下げを操作する
小屋がある。近づいて合図を送ると、網が水中に沈んで航行が可能になった。

両岸は静かな田園風景。へらフナ釣りのボートが航路の、ぎりぎりまで竿を出しているので慎重に通過する。
前方に閘門が見えてきた。赤レンガ造りの閘門は築後80年の歴史を誇る建造物。
周りは釣り人の絶好のポイントらしく、操作所のすれすれまで竿を出している。
初めての体験の閘門の通過。扉の開閉の操作をする引き綱のあるところに船を寄せる。
信号の引き綱を引きやすいように、船をピタリと寄せるのは、初めてではなかなか難しい。一人単独では大変だと思った。 やはり閘門は難問でした。
閘門は開いていて扉の奥に船が見える。こちらに向かっていると判断し、出てきてから入ろうと待機していたら扉が閉まってしまった。引き綱を引いたが扉は開かない。
キンコンキンコンと警告音が鳴っている。後で判ったが、前方に見た船は、利根川に
向かう船で、この船が閘門を出てから、通過完了の引き綱を引かったので、トラブルとなり、閉まったままの状態になって、30分待たされる始末となった。
 

 
利根川に入る赤レンガ造りの閘門、信号は赤、待機となる
 
何とか、2つある閘門を通過して利根川本流に出た。
前日の雨の増水で、川の水かさが心配されたが、それほどでもなかった。
「水の郷佐原」の公園の船着場に入るのに、増水で流れが強いときは、上流から回り
こんだほうが入るのが楽と聞いていたので、いったん上流のほうに回る。
川岸に公園入り口の案内看板があるのかと探したが無い。岸の奥に大きな建物が見え
たので、その方向に向かう。入り江の中のたぬき島を回りこんで船着場に着ける。
船着場は広く、ポンツーン(浮き桟橋)は、一隻ごとに区切られていて、俵みたいな大きな
緩衝具(名前は不明)が設置してあり、楽に係留出来た。
到着予定時間を少し過ぎたので、秋元専務から連絡されていた、マリーナのマスターが、出迎えてくれた。マリーナ相互で、航行の安全を連携で支えてくるのが有難い。
係留の許可願いを書いて提出。料金は500円
 

 
佐原の川の駅、ポンツーン右側のが、係留したヤマハ艇
 
一休みしてから、小江戸と言われる佐原の街の散策に出かける。 
 

 
街の中の掘り小野川、涼風でそよぐ柳の下を遊覧船が行き交う
 
昼食のお目当ては蕎麦を食べること。
最初の店は休業日。観光案内所に行く。聞いた有名老舗に行くが、昼時で40分待ち
なのであきらめる。

地酒の「東薫」の蔵に行く。大きな店構えを予想していたが、割と質素だ。
蕎麦のあてが外れたので、ぶらぶらしていたら、川岸の柳の下の美人の呼び込みに、
ついふらふらと、食堂に入る。どちらも美人には弱い。海鮮丼にした。

小野川の堀には遊覧船が出ていた。桟橋があり随所で、乗り降りが出来るみたいだ。
街の中で夏祭りの山車の組み立ての作業をしていた。有名な佐原の大祭、夏祭りも
うすぐなのか。
散策は途中で切り上げる。 川の駅と隣り合わせの道の駅でお土産を買う。
予定より遅れて帰途に着く。利根川はジェットスキーが徘徊、遠く離れて閘門に向かう。
横利根の魚の網の閉まる前には通過しなければならない。帰りの閘門はすんなり通れた。
横利根から出るとやや風が出ていた。晴れているので視界は良好。
エンジンの回転数を上げたが、どうもスピードが乗らない。バウ(船首)が下がらない。
副艇長がスクリューのからの波がいつもと違うと言う。チルトが上がっていた。
閘門で開閉の操作のときに、前進、バックに入れたりしたので、定位置に戻って
いなかったことが判った。
定位置に戻し、回転数を上げる。今度はスピードが上がる。
振り返れば真っ直ぐに、遠くまで伸びる航跡。
いろいろと苦労も、楽しみも含んだ波がありました。
帰港予定時刻が遅れました。
今回は、初めての閘門を通過して、横利根川を通り、佐原まで往復の、遠路の
航海は無事終了しました。
副キャプテン、ハーバーの皆さんのお陰です。有難うございました。

次は潮来から外浪逆浦を渡り、利根川河口堰の閘門を抜けて、本流に出て利根川を
遡り、横利根川を回るコースは、欲張りでしょうか。
それとも対岸の黒部川の、小見川城山公園と計画は動きます。
何かと挑戦したい気持ちです。まあ、のんびり行きましょう。
 
 
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