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初の大航海!? |
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昨年4月にひょんなことから霞ヶ浦のラクスマリーナを訪れた。その際船に乗り、しかも操縦する経験をさせていただいた。水の上に浮かぶ感覚は、飛行機で空を飛ぶ感覚とは全く違った穏やかで新鮮なものであった。エンジンが止まっても水の上に浮いていられるという妙な安心感である。
小型船舶操縦免許1級の取得はそれほど難しくないとその時聞いた話を真に受けて、今年の5月から6月にかけて勉強をして免許を取得した。やれやれであった。疑うことを知らない私は、試験はそれほど難しくないらしいと周囲に言っていた手前、これで試験に落ちていたら何と言われていただろうと思うとぞっとする。やはり、試験は試験だ。
さて、免許証が来てからは嬉しさのあまり、カラフルな免許証を時折一人でにやにや見ていたが、家にあっては「ペーパー船長」とからかわれていた。いつかは操縦してみなければ、ペーパーのままではいけない、と繰り返し思っていたのが7月初旬。今夏はことのほか暑い日が続き、涼しい水辺へ出てみようと急きょ思い立ったのが7月24日(土)であった。
7月25日(日)は風もなく、快晴。妻と連れ立ち霞ヶ浦でヤマハAS−21を借りる。午前10時を少し回った頃出発し、初めは「たまつくり」まで行き、休憩しようと思った。ところが、接岸しようにも土日祭には港は一般に開放されていないことが分かった。がっかりして天王崎へ行く。ところが、船をどこに止めていいかわからず、いっそのこと「水の郷さわら」へ行こうと目的地変更。
釣り人に気を遣いながら最徐行で横利根川を通り、水門(横利根閘門)を開き、「水の郷さわら」へやっと午後の2時頃辿り着く。時間的に余裕がないのでトイレを借り、簡単な食事をして、すぐ霞ケ浦のラクスマリーナを目指して引き返す。そして、ラクスマリーナに着いたのが午後5時近くであった。かれこれ6時間は操船していたことになる。
水辺にいるだけで涼しいだろうし、風を切って進めば身も心も洗われるほどだろうと思ったのが素人であった。この日はまた特に暑く、水の照り返しを受け、そして進行方向によっては直射日光を浴び、ほどよく太陽に炒られた感じであった。
船舶の免許を取得する上で基本的な操船は学んだが、飛行機で言うクロスカントリー(野外飛行)は全く行ってはいない。どこをどのように航行したらいいのか訳がわからないまま漕ぎ出したようなものだ。それでほぼ6時間操船し続けたことは今にして思えば大変なことだ。
この6時間の航行は私にとっては初にしてしかも大なる航海であった。途中不安な気持が頭をもたげ、困ったものだ。妻もよく私の初航海に付き合ってくれた。他の人から見れば他愛のない距離だし、大したエピソードではないと思われるかもしれないが、私にとってはやはり忘れられない経験であり、これは大、大、大航海だったのだと勝手に思っている。
免許取得は難しいことは全然ないよと言って私が免許を取得するきっかけをつくった人こそ、この大、大、大航海の途中何度も携帯電話で私にアドバイスを与え、見守り、励ましてくれた人であり、ラクスマリーナの秋元さんです。ここで改めてお礼を申し述べたいと思います。
原野隆 |
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